「わたしと日産 巨大自動車産業の光と影」の感想文

わたしと日産 巨大自動車産業の光と影」を読んだ感想文です。

こちらは著者である日産自動車株式会社の元社長、西川廣人さんの回顧録です。

私自身が車への関心が低いので、日産と聞くとルノーやゴーン事件の印象が強いです。

本書では著者視点で

  • 日産の国際化、その中での著者の苦悩
  • ゴーン改革
  • ゴーン事件

などが書かれていて興味深い内容でした。

また、著者の仕事での姿勢も勉強になります。

伝統的大企業特有の閉鎖的かつ、優位な立場で下請けに対しても高圧的な態度をとる風土に違和感を感じ、下請けや、海外の仲間ともフェアに協力していく姿は学ぶべき部分です。

そのような著者なので、ゴーン改革後に活躍の幅が広がっていったと感じます。

出会う人達も著者に対してフェアな姿勢で接していて、これは著者の人柄もあると思いました。

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最後に書かれていたリーダーの要件は、今後の社会人生活に活かせそうなのでまとめます。

リーダーの要件となる七つの能力

  1. エンパシー
    自分とは異なるバックグラウンドを持つ人がいる事を理解し、相手を尊重する姿勢を持つこと
  2. ダイバーシティー
    同質の者同士で群れず、誰に対しても公平に対応する
  3. 簡素化
    複雑な状況を理解し、簡素化する能力
  4. 伝える力
    より広範囲のメンバーに意思を伝える能力
  5. 目標設定能力
    高い目標に組織を引っ張る能力
  6. 変化に対する感度
    大きな状況の変化を掴む力、変化への対応力、リードする方向の確かさ、タイミングを読む力
  7. 目指す姿を持つ
    目指したい姿をイメージし、そこに向かう強い意思を持つこと
わたしと日産 巨大自動車産業の光と影

日本の大企業は、組織をうまくまとめる調和型のスタイルが多いので3~7の能力は必ずしも求められません。

対照的にベンチャー企業のリーダーは3〜7の能力を備えている人が多くいますが、1と2を得意としない傾向があります。

1と2は、同質で固まりやすい日本人全般が苦手とする能力であり、今後国際化していく時代に日本人が活躍するためには、磨く必要がある能力としています。

「リーダーの要件となる七つの能力」は著者のこれまでの経験がそのまま事例として挙げられているので理解がしやすかったです。

私はリーダー職ではありませんが、七つの能力を備えられるような人材にならないと今後は頭打ちになるんだろうなと感じました。
この人ならリーダーを任せられそうと思われない限り、昇格はしないですよね‥

私は現段階ではすべてが中途半端なので、まずは3~7の能力を磨こうと思います。

本書は今後の経営者や会社員に参考にしてほしい内容も盛り込まれているので、日産の元社長が今まで考察したこと、上手くいかずに苦闘したことを知りたい人は読んでいただくことをおすすめします。

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