- インハウスWEBデザイナーのメリットとデメリットが知りたい
- 社内WEBデザイナーはどんな仕事をしているの?
この記事では、こんな疑問に答えます。
本記事の内容
- インハウスWEBデザイナーの仕事内容
- インハウスWEBデザイナーのメリット・デメリット
本業はWEBマーケターですが、元々はWEBデザイナーとして働いていました。
経歴としては、
制作会社のWEBデザイナー→事業会社のWEBデザイナー→金融業界のWEBデザイナー(WEBマーケター兼任)
です。
なので、インハウスも制作会社もどちらも経験しています。
今回は「インハウスWEBデザイナーのメリットとデメリット」について解説をしていきます。
インハウスWEBデザイナーを目指している人や、経験者の話を聞いてみたい人は、ぜひご覧ください。
目次
WEBデザイナーの働き方は2種類ある
WEBデザイナーの働き方は基本的に2種類あります。
- インハウスデザイナー
- 一般企業に所属しているデザイナーのこと。
社内デザイナーや、WEB担当者と言われることもある。 - 制作会社に所属するデザイナー(アウトソーシング)
- デザイン関連の制作会社に所属するデザイナーのこと。
制作会社から仕事を受注している人や、フリーランスも含みます。
私はどちらも経験していました。
それぞれの特徴を一言でまとめると以下です。
- インハウスデザイナー
- 所属している業界の動向を把握しながら、より最適なWEBデザインをすることができる。PDCAが回しやすい。
- 制作会社所属デザイナー
- 幅広い業界のデザインを担当することができる。技術者としてのスキルアップに繋がりやすい。
どちらもメリットとデメリットはありますが、この記事では私が10年間インハウスデザイナーとして実際に感じたことを踏まえてまとめていきます。
インハウスWEBデザイナーの仕事内容
1つの企業に所属するため、制作会社所属のデザイナーと比較すると業務内容が多岐にわたることが多いです。
- 主な業務
- 自社サイトの運用、更新作業
- ランディングページ作成
- 数値分析、改善策の提案
- 紙媒体のデザイン
- 派遣、アルバイトの業務管理
- 他部署からの問い合わせ対応(自社サイト関連)
- 請求処理
インハウスデザイナーの場合、会社の規模にもよりますが「WEBの知識がある人は社内に自分だけ」ということもあります。
なので、本来ならWEBデザイナーの仕事ではない業務もできる限り対応しなければいけない状況になることも。
このことが、所属している企業(もしくは業界全体)の幅広い知識が得られる理由です。
インハウスWEBデザイナーのメリット

インハウスで働くメリットは以下のとおり。
- デザインのその後が追えて、改善提案のスキルが身につく
- 幅広い業務に携われる
- 幅広い職種の人と関われる
- コミュニケーションスキルが上がる
- 残業が少ない
詳しく説明していきます。
デザインのその後が追えて、改善提案のスキルが身につく
インハウスWEBデザイナーの1番の特徴は、「自社のものを作成する」ことです。
制作会社に所属するデザイナーは「依頼されたものを納品したら終わり」ですが、インハウスの場合は「リリース後の効果計測も担当する」ことがほとんどです。
なので、自分でデザインしたものがユーザーにどう影響したのかを分析することができます。
分析して次の改善提案に繋げるため、インハウスの場合は終わりがありません。
改善提案のスキルとともに、自社の制作物を「育てる」感覚も身につきます。
幅広い業務に携われる
WEB制作以外の業務にも携わることができます。
制作会社だと、「デザインはデザイナー、コーディングはコーダー」という縦割りになることが多いですが、インハウスの場合はすべて自分で対応することもできます。(対応せざる負えないとも言いますが…)
会社独自の業務を任されることもあるので、インハウスデザイナーに興味がある人は仕事内容を事前にしっかり確認しておくと良いと思います。
とはいえ、最初は誰でも未経験なので、基本的なデザインとコーディングスキルさえあれば問題ありません。
実際に入社して「こんなはずじゃなかった…」と退職する同僚を何人も見てきました。幅広い経験ができることは人によって負担に感じるのでしっかり確認しましょう!
幅広い職種の人と関われる
WEB業界にいたら出会えなかったであろう業種の人と一緒に仕事ができます。
私の場合、現在は金融業界の会社に所属しているので金業や保険関連に関心のある人と接する機会が多いです。
自分と分野が違うため、新しい知識を教えてもらえることがたくさんあり毎日新鮮な気持ちになります。
このように、気になる業界に飛び込むこともできることがインハウスデザイナーのメリットだと感じます。
コミュニケーションスキルが上がる
インハウスデザイナーは「一般企業」に勤めるため、周りにWEBの専門知識を持っている人がいないことがあります。
その場合、社内の人にWEBの説明をするときは専門用語を使わず、わかりやすく的確に伝えなければいけません。
最初のころはとても大変でした。
「簡単に話すこと」の難しさを日々痛感しています。
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残業が少ない
WEB関係の仕事をしていると、どうしても「激務」というイメージがあります。
ですが、制作会社と比較するとインハウスは納期に追われることはほぼありません。
社内調整も比較的スムーズにいきやすい印象があります。
インハウスWEBデザイナーのデメリット

次にデメリットをまとめました。
- デザインの幅が広がらない
- 様々な人の意見に振り回される
- デザインに集中できる環境が整っていない
- 給料は上がりにくい
詳しく説明していきます。
デザインの幅が広がらない
自分の会社の制作物に限定されるため、どうしても同じようなテイストのデザインをし続けることになります。
逆に制作会社では、様々なジャンルや業種のデザインに携わることができるためデザインを磨く経験はたくさんできます。
将来的にデザインの引き出しを増やしたいと考えている人には、インハウスはあまりオススメはできません。
様々な人の意見に振り回される
インハウスデザイナーは基本的に「一般企業」に勤めています。
なので、WEB以外の業務をしている人とも関わることになります。
私がインハウスデザイナーとして、やりにくさを感じていることとして「主観的な意見を言う人が多い」ことです。
「自分の好み」で話す人が多いので、分析したデータをわかりやすく伝えながらより良いデザインを作れるように心がけています。
デザインに集中できる環境が整っていない
インハウスデザイナーの場合、他の業務をしている人と同じオフィスで作業をすることになります。
なので、PCも基本的にはWindowsです。
検証用のMacやスマホ、有料フォントも上司に交渉してやっと手に入れることができる状態です。
私の会社は店舗を持っているので、店舗スタッフからの電話問い合わせの対応もしなければいけなく、作業に集中することが難しいです。
給料は上がりにくい
一般企業なので、制作会社のようにディレクターやプロデューサーという職種がありません。
なので、たとえディレクターの役割を果たしていても一般社員と同等の扱いになる会社が多いと思います。
私の会社で出世したい場合は、WEBとは関係のない営業職で一定の評価が必要になります。
そのため定期的に「一生このままか…それとも転職か…」と悩むことが多いです。
自分の中でやりがいを感じられればいいのですが、そうでない場合はある程度の技術を身につけたら転職もしくはフリーランスになる人が多いと感じています。
まとめ:インハウスデザイナーに向いている人・向いていない人
今回は「インハウスWEBデザイナーのメリットとデメリット」についてまとめました。
- 向いている人
- デザイン以外の幅広い知識を身につけたい人
- サイト分析、改善提案のスキルを身につけたい人
- 残業をなくしてプライベートを充実させたい人
- 向いていない人
- デザインの引き出しを増やしたい人
- デザインに集中したい人
- 給料を上げたい人
どちらも一長一短なので、自分が将来なりたい方向性を考えてから転職(就職)活動をしてみてくださいね。
私自身は、若いうちにどちらも経験できたことでWEBデザイナーという職業や役割をより深く知ることができたので良かったと感じています。
これからWEBデザイナーを目指す人の参考になれば嬉しいです。